これを人は悲劇と呼ぶのだろうか。 あまりにも 残酷で 哀しすぎる 現実 神はまだ赦してはいなかったのか? 【アゲハ蝶 15 回帰した未来】 「………え?」 アルフォンスは耳を疑う。 今、師匠だと名乗った女性はなんと言った? 子供が流れた。 そう、言わなかったか? 「誰の……?」 エメロードは流れそうになったけれど、母体も子供も無事だ。あの場所にいた女性はエメロードとその友人のシェスカ、それからホークアイ。そしてこの師匠だけだ。 それ以外は、いなかった。 アルフォンスの問いには誰も答えてくれない。 ロイも、ラッセルも、イズミも。エドワードも。 誰も、答えてくれない。 アルフォンスは答えが欲しくてイズミに近寄ると、イズミは真っ直ぐにアルフォンスを見て。 「お前は、どう責任を取るつもりだ?」 「責任、ですか」 「そうだ。お前は確かにクリスティさんを守った。しかしクリスティさんを狙った銃弾はエドワードの身体を貫き、子供が流れた。お前は何をどうやって責任を取る?」 「だから、誰の子供が……」 「自分で考えろ。誰の子供が流れたのか思い出せ。記憶を辿れば、簡単にたどり着く」 記憶さえあれば、簡単に思い出せる。 エドワードだと。 銃弾は、下腹部を貫いていた。 兄だと名乗るエドワードが本当は女性で、そしてあの中にいる女性では身篭る可能性が一番高い事を、アルフォンスは知っている。 それが、不可能に近かったとしても。 「アル」 「……わかりません」 アルフォンスはぎゅっと拳を握り締める。 あのね、私お腹に赤ちゃんがいるの。 エメロードがそう言った時、アルフォンスは本当に嬉しかった。 新しい命の誕生が嬉しかった。 それと同じように、流れた子供を喜んだ人々がいた筈だ。 アルフォンスと同じように。 「ごめんなさ……い。責任の取り方も、よく、分からないし…どうやったら」 責任を取れるのか。 アルフォンスの顔が青ざめていく。 何かが、重なって。 何かが、幻から現に。 何かが、見えてくる。 「アル、責任を取る方法を一つだけ教えてやろう」 「師匠……?」 「他の記憶は思い出さなくて良い。私の事も、もちろん、お前に関係する人間のことも。だがな、一つだけ思い出せ。お前が一番大切にしていた人間の事だけを」 「ボクが、大切にしていた……?」 「そうだ。男とか女とか関係ない。お前がずっと大切にしていた人間。それを思い出せば全ての答えが見つかる。これからの事も、お前がどうすべきかも」 「…………」 「それでいいな、エド」 イズミの言葉に、今まで喋る事を禁じられていたエドワードがこくりと頷く。何か言いたそうな素振りを見せたが、今のイズミには何を言っても無駄だと分っているのだろう。 「ロイ、ラッセル。お前達もそれでいいな」 こくり。 二人は無言で頷いた。 もう、イズミの言ったとおりの道しか残ってはないないから。 アルフォンスが記憶を取り戻すしか、救済は残されていない。 それが、どれ程辛い現実であったとしても。 「……アル、よく考えな。お前の行くべき道、するべき事。何もかも考えな。もう、それしか残ってない」 イズミはそうアルフォンスに告げると、エドワードを連れて病室を出て行く。ロイもラッセルの背中を押すようにして病室を後にした。 「……どうしよう」 ひく、としゃくりあげる声がアルフォンスの後ろから聞こえる。 「エド……」 「どうし、よう。私の、せい、で」 「エドの所為じゃないよ。ボクの所為だ……」 「ち、がうの。私が、ここに、いるから……」 「駄目だよ! エド! 自分の事責めちゃ駄目だよ」 エメロードのやっと安定していた精神がゆらゆらと揺れ始める。 アルフォンスを見つけてくれた頃もこんな風に精神が揺らいでいた。 まるで陽炎みたいな人。 だから守りたくて。 だから大切にしたくて。 この道を選んだのに。 それなのに。 エメロードとは関係のない人が傷付いた。 しかも、子供が流れるという、あまりにも酷い方法で。 きっとそれは、エメロードの心も傷つけた。 自分の所為で誰かが傷付くのを酷く怖がっていたから。 失うのを怖がっていたから。 「…落ち着いて、エメロード」 守りたいという言葉は驕りなのだろうか。 ふとそんな事が頭を過ぎる。 記憶を失う前の自分は、何かを守ろうとしていなかったのだろうか。 それとも。 守る事の意味を知っていたのだろうか。 誰も傷つけない、大切な人を守れる人間だったのだろうか。 「…………」 落ち着いて、考えろ。 アルフォンスは泣き止まないエメロードの手を握りながら、自分にそう言い聞かせた。 「こ、ど……も?」 「ああ、そうだ」 「そうだって、落ち着いてる場合じゃないでしょう!」 「そうだな」 「そうだなって……あんた」 ロイの言葉にハボックは戸惑った。 これが真実なら、本当ならば。 誰よりも怒っていておかしくないはずなのに。それなのに、ロイは黙ったまま俯いている。 子供が出来たら結婚。 そんな約束をしていた。 ただ、エドワードは身体の方に少し異常があり、子供が出来る確率は十パーセント程だと言われていた。 もしかしたら、結婚は無理かもしれない。 婚約は出来ても、結婚は無理かもしれないと誰もが少し諦めていたのに。 エドワードに、子供が出来ていた。 それなのに。 アルフォンスは全てを忘れ、アルフォンスを庇った事で子供は失われた。 これは、何の悲劇だと言うのだろう。 あの二人の罪は、まだ贖われていなかったのだろうか。そんな錯覚さえしてしまう。 「だって、あの二人の子供っスよ……?」 「ああ」 「あんたの、孫、でしょう」 「ああ」 「あんたも、望んでたでしょう」 「ああ」 「ああ、ってそれ以外言えないんスか…?」 「………言葉が、出てこないんだ」 「……」 「何を悲しんだらいいのか、もう分らないんだ」 アルフォンスが記憶を失った事か。 アルフォンスが記憶を捨てる事か。 エドワードが撃たれた事か。 子供が流れた事か。 もう、何を悲しんで悲劇と呼ぶのかさえ分らなかった。 何もかもが、辛い現実なのに、どれも現実味を帯びていなかった。 「あの子達が何をしたんだ……」 少なくとも、今までは順調に進んでいた。 自分達に出来る事は少なかったけれど、出来る限りの事をしたつもりだ。 それが、あの二人の幸せにつながるなら、と。 それなのに。 何故こんな事態になった? 何が、悪かった? 何が、邪魔をした? 何が。 何を。 どうした? 「……アルフォンスのヤツ、壊れるかもしれないっスね」 「ハボック大尉……?」 「今多分、あいつは記憶を取り戻そうとしてる。でも、取り戻したら」 温和で人当たりの良い真っ直ぐな青年だった。 自分の闇も飲み込んでちゃんと自分の足で立っている青年だった。 けれど。 弱い部分も持ち合わせた、人間だった。 その弱さを救っていたのはエドワード。 その存在。 その存在を守ろうと足掻く事で弱さを強さに変えていた。 そのアルフォンスが、記憶を取り戻した時。 エドワードの事を思い出した時。 「あいつ、確実に壊れるっスよ?」 「…………」 「エドワードの子供が流れて一番辛いのは、俺たちじゃなくて、間違いなくあいつなんスから…」 自分の所為で、何もかも失ったと知ったら。 「……約束してくれたのにな、エドワード」 「何をだ?」 「必ず幸せになるって」 それなのに。 ハボックは込み上げてくる感情を抑える事が出来ず。 「俺たち、何の手助けも出来ないんスかねぇ」 ぽたりと涙を零した。 「ハボック大尉」 「エドワードもアルフォンスも傷付いてばっかりだ。肩代わりする事さえ出来ない……」 今の状況を代わってやれるなら、代わってやりたかった。 少なくとも、記憶を失ったのが自分ならばこんな事にはならなかった筈。 幸せな未来が見えていた筈。 何で、どうして。 記憶を失ったのが、アルフォンスだったのだろう。 どうして、アルフォンスを助けたのが女性だったのだろう。 どうして、こんな事になったのだろう。 「………少なくとも、あの二人の支えにはなってきたつもりです」 「ホークアイ少佐…」 待合室の片隅で小さくなっていた二人に、ホークアイは小さく礼をしてそう言った。 「何も出来なかったけれど、あの二人を支えてきたつもりです。それだけは自信を持って言えます」 頼りない大人たちだったかもしれない。それでも、支えてきた。 二人が幸せになるように、出来るだけの事をしてきたつもりだ。今更、それを否定するつもりはない。 「少将」 「何だ」 「私達は私達にしかできないことをしましょう」 「半年前の事件か?」 「いえ、……いや、それも含めてです。アルフォンス君が、何の任務でトルセイアに赴いたか分りました」 「何の任務だ」 「……ある女性の確保。任務を下したのは、エセルバード・ゾルゲ将軍」 「!」 「女性の名前は、エメロード・クリスティ……もう、お分かりですね」 ホークアイの片眉がぴっと吊り上る。 「どうやら、嫌がらせのつもりもあったようですね。こちらの内情も良くご存知で」 「……鋼の、か」 「はい。元々はエドワード君に下そうとした任務だったようです」 「……その任務、俺のところにも来た」 ふっとホークアイの後ろからラッセルが顔を出す。 「森羅の……」 「あの任務、アルが受けてたんだな。俺は、場所が場所だからっていう理由で見逃してもらってたけど」 ラッセルのところに来た任務も、ある女性の確保。しかし、ゼノタイムとトルセイアは遠く直ぐに行けないと返したところ、もう別のものが赴いたとの連絡をもらったのだ。 「……俺が行ってたら、俺が記憶を無くしてたのかも知れないのに」 それならばどれだけ良かっただろう。 記憶をなくしたのが自分だったならば。 ラッセルもハボックと同じ事を考える。いや、あの二人と関わった者なら皆同じ事を考えるだろう。 「少将」 「何だ」 「とりあえず、ゾルゲ将軍から来た任務は俺に回して下さい」 真っ直ぐロイを見てラッセルは言う。 「もうこれ以上、あの二人の未来を潰させたくない」 「ラッセル君…」 「もう真っ平だ。エドワードを見ないアルもアルに何も言えないエドワードも。そんなのもうこれで最後にしたい」 ラッセルは踏んでいた。 アルフォンスは記憶を取り戻すと。 アルフォンスの意見なんて関係ない。何があろうともうアルフォンスの記憶を取り戻させるしかない。 もう、そんなところまで来ているのだ。 「けど、ラッセル…アルフォンスは」 「こわれた時はこわれた時。俺が直してやるよ」 こんなのでも一応親友だからな。最後まで面倒見るよ。 そう言ってラッセルは笑った。 「じゃなきゃ、会えなかったあいつらの子供に申し訳ないだろ」 産まれて来れなかった子供。 誰もが望んでいた子供。 「……じゃなきゃ………」 本当は崩れてしまいそうだった。 いきなり襲ってきた現実に。 平気な顔をしていたエドワードに吐き気を覚えた。 知らない顔をしているアルフォンスに怒りを覚えた。 まるで人事のような顔をしている二人に反吐が出そうになった。 お前達の事だろう!と。 お前達が誰よりも悲しむべき事だろうと。 それなのに、あの二人は。 悲しむ事を、しなかった。 悲しむ事を忘れたかのように。 それが、無かったかの事のように。 「ラッセル……」 がしり、とハボックがラッセルの肩を持つ。 「やってやろうぜ?」 「ハボック大尉?」 「あいつら、守ってやろう。とりあえず、アルフォンスの記憶取り戻して、とんでもない任務下したヤツぶっ飛ばして……それから」 「それから?」 「あいつらの子供が生まれる時は一緒にいてやろう」 「…………」 「な、ラッセル」 ハボックの言葉に、ラッセルはこくりと頷く。それを見てハボックはラッセルの頭を撫でた。 「という訳で、少将」 「分っている。ホークアイ少佐」 「はい」 「すまないが、あの若造の動きを探ってくれ」 「はい」 後戻りなんて赦されない。 間違っていた過去があったならば、未来で正せばいい。 過去に辛い事があったなら、その分未来で幸せになればいい。 例え今がどんなに辛くても。 「きっと、まだ道は残っている」 悲劇ばかりじゃない。 きっとまだ道は残っている。 ――どこかに。 「師匠」 「何だ」 「やっぱり、オレが悪いよ」 「……エド」 「聞いてくれ、師匠。知らなかった、オレが悪いと思うんだ」 病室に戻されたエドワードは結局面会謝絶になり、イズミが付き添ってくれる形となった。 「オレ、まさか自分が子供産めるとは思わなくて、だから、子供が出来てるなんて分らなくて」 予兆はあったのかもしれない。 それでも、エドワードは気付けなかった。 まさか、自分が。 そんな思いが強くて。 「分ってたら、あんな無茶しなかった」 アルフォンスが記憶を捨てると言った時、エドワードの心はこの場所になかった。それが幸いしたのか、窓の外に光るものが見えて。それが銃口だと気付いた時、身体は勝手に動いていて窓際に立っていた。 誰が狙われているのかまでは、分らなかったけれど。 アルフォンスが狙われていると分かった時、良かったと思ったのだけれど。 その先に待っていたのは、あまりに辛い現実だった。 「だから、オレが悪い」 「…………」 「オレが、この子を殺した」 「エド」 「オレが、守れなかった」 「……エド」 「オレが、守らなきゃならなかったのに」 「エド!」 イズミはエドワードに近寄ると、ベッドに座っていたエドワードの体を抱きしめる。 「それ以上は言っちゃいけない」 「でも」 「でも、じゃない。お前は、悪くない」 「じゃあ、何でこの子は死ななきゃならなかったんだ?」 「仕方なかったんだよ」 「命に仕方ないなんて事は無い!オレが、オレが守らなきゃならなかった!」 「エド、落ち着け」 「オレが、アルを選んだから、だから、子供が……」 「エド……自分を責めても子供は戻らないよ」 「!」 「自分を責めても、子供は戻らないんだ…」 イヤと言うほど味わった感覚。 まるで昔の自分を見ているようだとイズミは思った。 産んでやれなかった子供。 あんなにも望まれていたのに、この世に送り出してやれなかった命。 周りは皆自分を責めるなと言うけど、どうやっても自分を責めてしまう。 もし、あの時病気などしなければ。 いや、病気にかかった自分が悪いのだと。 何度も自分を責めた。 その時、人体錬成まで考えた。 その結果、人体錬成をし、その対価として内臓を持って行かれた。 あの時の自分を見ているようだ。 イズミはエドワードを抱きしめて、そんな事を思った。 「だからエド。もう、自分を責めるな」 「……でも」 「もういい。お前は頑張った。その子のお陰で助かった命があるじゃないか」 「……でも」 「今は、その子の為に祈ってやれ」 「……でも」 「お前がいつまでも悔やんでたら、お前を大事にしてくれる人間が傷付くぞ」 「……でも、師匠」 エドワードは、イズミの背にぎゅっと手を回して。 「オレ、アルの子供産みたかった…」 「……うん」 「オレ、すっごく、すっごく、アルの子供産みたかった…」 「……うん」 「母さんみたい、な、母さん、に、なりた、かった…」 「……うん」 「子供、欲しかっ、た!」 「そうだね……産んでやりたかったろうね」 「………っ」 「でも、それが、その子の天寿だったんだよ。エド……」 腕の中で、泣きじゃくるエドワード。 アルフォンスと子供の命。天秤になんてかけられないもの。 それでも、エドワードはかけてしまった。かけざる得なかった。 自分の体を犠牲にしても、エドワードが手に入れたかったもの。 失えない、かけがえの無い。 「…………」 アルフォンスは記憶を失ったまま。 そして、エドワードが子供を身篭る可能性は無くなった。貫通した弾丸が、子宮を傷つけたのだ。奇跡が起こらない限り、不可能だと医者に宣告されてしまった。 ……それは、イズミしか知らない秘密。 それを知ればエドワードは希望を無くしてしまうし、おそらく弟も立ち直れないだろう。 「エド、今は泣きたいだけ泣いていい」 悔やむだけ悔やんだら。 ちゃんと理解できるまで泣いたら。 「泣き止んだら、きっと明日はいい事がある」 「せん、せい……」 「何だ?」 「……アルは、オレといてくれるかなぁ……」 「…………」 「もう、無理、かなぁ」 そう言うと泣きながら笑って、エドワードはイズミの胸に顔を埋めた。 おまえは、おれといてくれるか? 何かが砕ける音がした。 ぞわり、と背中を這い上がってくる気配。 無駄だ。 拒んでも無駄だ。 声がする。 声がする。 頭の中で、甲高い声がする。 「………なあ、アル」 重なるように、声が聞こえる。 頭が痛い。 割れるように痛い。 「お前は、ずっといてくれるか?」 誰。 誰だ。 喋っているのは誰だ。 「傷物で、しかも男性恐怖症何ていうけったいな肩書きがあるけどさ……」 知ってる。 分ってる。 だけど、ずっといっしょにいるって。 いっしょにいるって? なに? いっしょにいるのは、誰? 「お前は、オレといてくれるか?」 うん。 いるよ。 ……さんがだいじょうぶだっていうまで。 そう答えたのは。 誰。 頭が痛い。 痛い。 痛い。 誰。 誰。 守りたいのは。 守ると言ったのは。 守ってくれたのは。 傍にいたのは。 誰。 誰。 誰。 ダレ だれ? 吐き気がする。 眩暈が止まらない。 思い出すな。 思い出さなくていい。 でも。 誰。 あれは―――― 「……さん?」 何かが胃の中からせり上がってくる。 どうすればいい。 自分はどうすればいい。 頭が痛い。 気持ちが悪い。 世界が回る。 受け入れたくない。 でも、これは、現実。 でも、これは、現実? これは何。 ボクは、何をした。 ボクは、ボクは、ボクは、ボクは、ボクは、ボクは――― 「アル?」 呼びかけられて、アルフォンスは声がした方へ顔を向けた。 そこには、見覚えのある軍人と金髪の青年がいて、不思議そうな顔でアルフォンスを見ている。 その瞬間、足はそちらの方へ向かって走り出していた。 「おい、顔色真っ青だぞ?」 ハボックがアルフォンスを見てそう言う。 「…………う」 「え?」 「ボク……」 「鉄の?」 アルフォンスは腕を伸ばし、ロイの腕を掴むとその顔を真っ直ぐに見て。 「どうしよう、大佐!ボク、兄さんを―――!」 悲鳴のような声で叫んだ。 いっしょにいるといったのに ずっといるといったのに ごめんね ごめんね ごめんね にいさん きおくのなかでみつけたあなたのすがた |